ニットデザイナー“chassa”のプライベートブログです。
こちらはかぎ針や棒針の手編みの基礎から専門的な毛糸の知識などご紹介しています。小物の作り方では【30分で出来る!】~【1日で出来る!】までの簡単なものをご紹介していく予定です。

高級ニットはウールの繊維の太さ(マイクロンとスーパー表示)で決まる

投稿者 CHASSA  2013年10月13日 (日)

 

 

今日は毛糸の原料となるウール繊維のお話です。

ウールの品質、ランクとは?

ウール糸の品質、ランクは繊維の細さの表示のマイクロン表示を目安としています。
そのマイクロンによって、エクストラスーパーファインメリノ、エクストラファインメリノや、スーパー100’Sなどの表示が付きます。

 

繊維の太さを表すマイクロン(ミクロン)とは?

糸の太さは番手やデニール、デシテックスなどで表しますが、繊維の太さはマイクロンで表示します。数字が小さいほど繊維が細くしなやかです。

人間の髪の毛は70~80マイクロン
羊の毛は19~24マイクロン
カシミヤの毛は14~16マイクロン程度と言われています。

一番細い繊維はカシミヤなのか?

一般的に流通しているものではカシミヤですね。中でもカシミヤベビーカシミヤといって赤ちゃん(4~5か月)から刈り取られた産毛は14μ以下(13.7マイクロンくらい)とされて、とってもしなやかでスベスベです。

しかし、もっとすごいのがいます。それはラクダ科リャマ属のビキューナで、なんと10~14マイクロンと言われています。
とてもしなやかで繊細なため、セーターには不向きのようですが、むかしむかしは、大金持ちの社長さん達が着用した、まさにラクダシャツ(肌着)も作られた時代もあったそうです。肌着なのに30万とかしたらしい・・・!!

数は少ないですが、最高級のマフラーなどは今でも存在しています。
楽天やAmazonにもありました!リンク先にはビキューナの画像もありましたが、短い毛ながらムクムクしてそうです。刈り取った毛なら私も触ったことがありますが、それはそれはスベスベでした!!カシミヤより細いというのが手触りでしっかり感じ取れました。すっごいお値段で私はとてもとても購入出来ませんが・・・。

マイクロン表示を目安とした呼び方です。羊毛の品質を表すエクストラファインメリノとは?

粗野な順から・・・

ストロングメリノ  23~25マイクロン
ミドルメリノ            20~22マイクロン
ファインメリノ         20~21マイクロン
エクストラファインメリノ  18.5~19.5マイクロン
スーパー エクストラファインメリノ 17.5~16.5マイクロン

市販のウールセーターは何マイクロン?

 

皆さんがよく着用されている薄手のウールのニットはちょっとしたブランドなら19.5マイクロン辺りでしょうか?いやいやけっこう21マイクロンくらいまで使ってますね。素材もよくないのにブランドっていうのも多々あります。すごく高級なものを着られている方で16.5~18.5マイクロンでしょう。正直なはなし、19.5マイクロン以下はアピールにもならないので私たちも話に上がることも滅多にありません。

一昔前(20年くらい前)は19.5マイクロンでも高級梳毛などと言いましたが、現在はユニクロや、イオン系など有名巨大チェーンの量販店では、このグレードのウールはビックリするくらい安く売られているので、もう一格上の18.5μくらいにならないと高級という感じがしませんね。

余談ですが、有名巨大チェーンの量販店のニットは生産工場は奥地奥地の人件費が安いところで作られますが、糸自体は下手なブランドよりも、ちゃんとした糸を使っていることが多いです。

個人的に気になるのはアームホールや袖山の減らし目の回数書きが大雑把なことと、ボタンが安っぽいことくらいで、価格に対して物はとてもよいと思います。よい素材とは言っても最高級ほどの糸までは使ってないので、耐久性もそこそこあり日常着にはおススメです。(最高級の糸は繊細なので耐久性はありません)

 

エクストラファインメリノなどの表示は主にニット(セーターなど)の話でした。
では織物になるとどうなるのか?今度はスーパー表示と言うものになります。

スーパー表示とは?

コートとかでこんなの ↓ ↓ ↓  見たことありませんか?

 

こちらも先ほどのマイクロンをもとに換算されているのです。
ではスーパー表示とマイクロンの相対表を見てみましょう。

スーパー表示とマイクロンの相対表

X Value 平均繊維直径(μ)
表示なし 20.0μ以下
Super 80’S 19.5μ
Super 90’S 19.0μ
Super 100’S 18.5μ
Super 110’S 18.0μ
Super 120’S 17.5μ
Super 130’S 17.0μ
Super 140’S 16.5μ
Super 150’S 16.0μ
Super 160’S 15.5μ
Super 170’S 15.0μ
Super 180’S 14.5μ
Super 190’S 14.0μ
Super 200’S 13.5μ
Super 210’S 13.0μ
Super 220’S 12.5μ
Super 230’S 12.0μ
Super 240’S 11.5μ
Super 250’S 11.0μ

*2012年1月1日製造分から適用。
スーパー表示規定は国際羊毛繊維機構(IWTO)でたまに見直しされます。
こちらの表は第80回 年次総会(2011年5月8~11日、中国・杭州)で発表されたもの。

表には11.0μまで書いてありますが、現実的には羊毛では存在しないと思うのですが念のためってことでしょうか?

 

IWTO 国際羊毛機構とは
1927年設立。ベルギーのブリュッセルに本部がある。各国の牧羊業者、羊毛商社、加工業者、紡績業者、織物業者、服飾関係者などを会員とする機構。

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