ここでは、市販毛糸や工業毛糸の番手の調べ方、『毛番手』『綿番手』の見分け方、『綿番手』や『デニール』の表示だった場合の、『毛番手』にする変更する方法をご紹介します。
市販毛糸の番手の調べ方
毛糸のラベルに記載されていているメーターとグラムから(毛)番手は計算出来ます。
計算式はこちらです。
工業毛糸の番手の調べ方
工業の糸を手に入れた場合はどうでしょう?
市販の手芸糸にはあまり番手まで書かれていませんが、工業糸にはコーンの内側に番手が書いてあります。
工業糸のコーンの場合は基本的には内側に番手が書いてありますが、その番手が『毛番手』とは限らず『綿番手』だったり『デニール』だったりします。
毛番手か綿番手があるので注意
1/15 も 15/1 も、言葉にするとどちらも「じゅうごばんたん」ですが、『毛番手』の1/15 より 『綿番手』の15/1 の方が細いのです。
毛番手か綿番手の見分け方
『番手』にはいくつか種類がありまます。
『毛番手』か『綿番手』かは紡績方法による違いですが、一般的にはウール混は『毛番手』、綿混は『綿番手』または『毛番手(に直されている)』です。
冬物っぽい毛糸の場合
ウールやウール混でしたら“毛番手”です。
“毛番手 ”は“”2/30 “2/48” “1/60”…など分母が大きく表示してあります。
夏物っぽい毛糸の場合
春夏素材らしき毛糸の番手が、分母が大きかったら “毛番手” で、分子が大きかったら “綿番手”です。
“綿番手” は“30/1(30/-)” “30/2” “40/2” …など分子が大きく表示してあります。
番手が何も書いていなかった場合
メーターとグラムがわかればメーター÷グラムで計算出来ますが、情報がない場合は、グラムはまだしもメーターはちょっとわからないと思います。
何も書いてなかった場合は諦めるか、購入先に問い合わせるしかありません。
『綿番手』や『デニール』で書いてあった場合は毛番手に換算出来ます。
番手の換算の方法
便利で一目瞭然な番手換算式表をご紹介しています。
いっぱい書いてあって嫌になりそうですが、大丈夫なので、もう少し先まで読んでください。
番手換算式
綿番手 | 毛番手 | 麻番手 | デニール | デシテックス | |
---|---|---|---|---|---|
綿番手 | 1 | ×1.7 | ×2.8 | 5315/綿番手 | 5905/綿番手 |
毛番手 | ×0.7 | 1 | ×1.65 | 毛番手 | 10000毛番手 |
麻番手 | ×3.5 | ×0.6 | 1 | 14880/麻番手 | 16535/麻番手 |
デニール | 5315/デニール | 9000/デニール | 14880/デニール | 1 | ×1.11 |
デシテックス | 5905/デシテックス | 10000/デシテックス | 16535/デシテックス | ×0.9 | 1 |
『麻番手』『デシテックス』というのもあるので、一応、表には入れましたが、殆ど『毛番手』もしくは『綿番手』『デニール』しか出てきません。
尚且つ、普段使用するのは『毛番手』なので『綿番手』を『毛番手』に、『デニール』を『毛番手』にする計算式(赤文字)しか使いません。
毛番手への換算は、この2つだけは覚えましょう!
毛番手=綿番手 × 1.7
毛番手=9000÷デニール
綿番手から毛番手に換算するには?
単糸の場合
綿番手の 15/1 ならば、15×1.7=22.5 となり、毛番手 は 1/22.5 ということ。
双糸の場合
単糸以外の番手は、単糸に換算してから計算します。(後から単糸に戻す方法もあります)
30/ 2 というのは 30/1 を2本撚糸して1本になっている糸のこと。単糸換算するなら 15/1 になります。
単糸に換算してから計算式に当てはめます。
綿番手の 15/1 ならば、15×1.7=22.5 となり、毛番手 は 1/22.5 ということ。
デニールから毛番手に換算するには?
300デニールならば 9000÷300=30 となり、毛番手ならば 1/30 ということ。
毛番手をデニールに換算するには?
毛番手1/30 の場合は 9000÷30=300 で、300デニールとなります。
綿番手をデニールに換算するには?
綿番手をデニールに換算するには方法が2つあります
- 綿番手→デニール で一回で計算する
- 綿番手→毛番手→デニール で2工程で計算する
綿番手→デニール は使用頻度が低いので覚えなくてよいです。
面倒くさいようでも計算式を2工程で計算する方法を覚えましょう!
綿番手→毛番手→デニール 2工程で計算
(綿番手 × 1.7 =毛番手)(9000÷毛番手 =デニール)の合わせ技の
綿番手→毛番手→デニールで計算していきましょう!
まず 綿番手 30/2 を単糸にして・・・15/1 となり・・・までは一緒ですね。
計算式 綿番手 × 1.7 =毛番手 なので、
15 ×1.7 =毛番手 1/25.5 となり・・・
計算式 9000÷毛番手 =デニール なので、
9000÷毛番手 25.5 =352.9デニール となります。
因みに計算式が四捨五入されているため、一工程の計算とは多少の誤差が出てますが 気にしなくて大丈夫です。
綿番手→デニール 1回で計算
綿番手→デニールはプロでも普段は使いませんが、一応書いておきます。
例えば、綿番手 30/2 を デニールにするとします。
まず 綿番手 30/2 を単糸にして・・・15/1 となり、
計算式は 5315/デニール なので、
5315÷15 =354.3デニール となりますが・・・
総合番手にする
複数の異なる糸を一緒に編む場合はいったいどんな太さになるのか?わからないので、総合番手ってものを計算してあげるんですね。
注意しなくてはならないのは、番手同士では足し算が出来ません!!
単位を一旦デニールに揃えてから計算します。
デニール同士の足し算
デニール+デニール=総合デニール
例えば、300デニールと、100デニールを足すなら、単純に400デニールです!
そして最後に毛番手に換算して戻します。
いつでも最後は毛番手にしておくのが基本
冒頭にも書きましたが、綿番手やデニールの数字で言われてもゲージ感がピンときません。
デニールで足し算した場合でも最後には感覚的にわかりやすい毛番手に換算しましょう。
そして毛番手ならば、どのような番手なら何ゲージ何本取りで編めば良いか?
すぐにピンとくるように経験を積んで行きましょう!
まとめ
『番手』はいつでも『毛番手』が基本です。
ここでは、『毛番手』『綿番手』の見分け方、『綿番手』や『デニール』の表示だった場合の、『毛番手』にする変更する計算方法をお伝えしました。
計算式は色々ありますが、この3つを覚えておけばいいでしょう。
- 番手=メーター÷グラム
- 毛番手=綿番手 × 1.7
- 毛番手=9000÷デニール(デニール=9000÷毛番手)
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