毛糸の帯ラベルに書いてある、情報の見方と詳細を解説します。
- 毛糸の帯ラベルは捨てていいのかな?
- ロットってなんだろう?
- ゲージって何?
など悩んでいる初心者さんはいませんか?
わたしは20年以上、婦人服や子供服のニットデザイナーをしてきました。
工業毛糸の糸やさんで働いたこともあるので、一般の方より少しは専門知識があります。
そ・こ・で!
毛糸のラベル情報の見方と、それぞれの詳細を画像と一緒に説明していきます。
毛糸の情報の見方が知りたい方は参考にして下さい。
毛糸のラベルの見方
毛糸のラベル(帯)には、その毛糸の大切な基本情報が書かれています。
ラベルは捨てずに保管しておきましょう。
どんな事が書いてあるのか、ひとつひとつ見ていきましょう。
メーカーによって、毛糸によってラベルのデザインは違います。
今回はハマナカのエクシードウールL<並太>で説明します。
品質(品質表示)
品質表示とは素材の混率(混用率)が書かれています。
ウール100%もあれば、ウール50%にアルパカ50%など2素材、3素材が合わさっているものもあります。
ウール100%でも英国羊毛なら硬めだし、メリノなら柔らかいし、エクストラファインメリノならもっと滑らかで肌触りがいいし。
似た毛糸を探す際にも参考になります。
因みに「ウール」とだけしか書いてない場合は、売り言葉になるような特徴のあるウールではありません。
*ラベルを捨ててしまっても、この情報はあとから調べられます。
標準状態重量(グラム/メーター)
標準状態重量とは、グラム/メーターが書いてあります。
因みにコットンやウールは、気温や湿度で重さが変わります。
記載してある重さとは少し異なることもありますが、公定水分量として認められています。
*ラベルを捨ててしまっても、この情報はあとから調べられます。
参考使用針(棒針/かぎ針)
参考使用針が書いてあります。
棒針は必ず書いてありますが、かぎ針は書いていない場合もあります。
作品を編むときに、ここに書いてない号数で指示をすると、初心者さんは「え?」となりますが、書いてあるのはあくまでメーカー側が試編みしたときの参考です。
同じゲージにしようと思っても、編み手が異なれば使用する号数は異なりますし、そもそも編むものや好みで詰まった方がいいこともあるあし、甘い編地の方がいいこともあるし。
何も目安がないより、あったほうが参考になるよね?という数字だと思って下さい。
*ラベルを捨ててしまっても、この情報はあとから調べられます。
標準ゲージ(棒針/かぎ針)
ゲージとは10cm×10cm間にある目数と段数のこと。
標準ゲージには、参考使用針で編んでスチームアイロンをかけた後のゲージが記載されています。
人の手でやることですから、当然、ピッタリこのゲージで上がらないことも多いです。
同じゲージで上げたい場合は、棒針号数を変えて調整します。
ただし、こちらも必ずしも同じにする必要はありません。
作品によっては、もっとカッチリ詰めた方がいいこともあるあし、甘く編んで柔らかい方がいいこともあります。
何も目安がないよりあったほうが参考になるよね?という数字だと思って下さい。
*ラベルを捨ててしまっても、この情報はあとから調べられます。
色番と染色ロット
色番と染色ロットが書いてありますが、染色ロットは一番重要な情報です。
染色ロットというのは、その毛糸を染めたときの釜ごとに振られた番号です。
同じ釜で染められた毛糸なら同じ色ですが、違う釜で染めると必ず多少の誤差が出ます。
運良く殆ど同じ場合もありますが、基本的には違うと思って下さい。
店頭の蛍光灯では同じカラーに見えても、自然光にあたると違うカラーに見えることもあります。
糸が足りなくなって追加購入する際に、ラベルを捨ててしまうと、染色ロット情報はあとから調べられません。
追加で毛糸を購入する可能性がある場合は、ラベルを保管しておきましょう。
とは言え情報がわかっても、在庫がなければ購入出来ないので、最初の段階では余るくらいに毛糸を用意するのが基本です。
まとめ
毛糸のラベルに書いてある情報の見方と詳細を解説しました。
色番 | メーカーで定めた色番号 |
ロット | 染色時の釜番号 |
標準状態重量 | グラム/メーター |
標準ゲージ | メーカー提案の適正ゲージ(10cm間の目数と段数) |
棒針参考使用針 | 標準ゲージを編むのに適した棒針号数 |
かぎ針参考使用針 | 標準ゲージを編むのに適したかぎ針号数 |
品質表示 | 素材の混率 |
取り扱い表示 | 適した洗濯方法など |
ラベルを捨ててしまうと、染色ロット情報はあとから調べられません。
追加で毛糸を購入する可能性がある場合は、ラベルを保管しておきましょう。