シェットランド毛糸の販売店とフェアアイルで代用になる毛糸など

シェットランド毛糸の買い方、フェアアイルの代替えになる毛糸など、フェアアイルとシェットランドウールについて色々まとめました。

フェアアイルってチャレンジしてみたいけど・・・。どんな毛糸を選べばいいのかな?シェットランドの毛糸ってどこで購入できるの?違う毛糸で編んでもいいのかな?

ベテランさんでも、1色揃わなくて代替えの毛糸は何がいいかしら?と悩みますよね。

わたしは20年以上、婦人服や子供服のニットデザイナーをしてきました。

工業毛糸の糸やさんで働いたこともあるので、一般の方より少しは専門知識があります。

そ・こ・で!

今回は、フェアアイルの名前の由来や、シェットランドシープのこと、シェットランド毛糸が通販できる輸入販売店、個人輸入、代用になる毛糸など・・・、フェアアイルとシェットランドについてまとめました。

代用毛糸を探している人、シェットランド毛糸の買い方を知りたい人は、よかったら参考にして下さい。

フェアアイルといえばシェットランドウール

フェアアイルセーターはシェットランドウールで編まれていることが多いです。

理由はルーツをみると明らかです。

フェアアイルセーターとは?

フェアアイルセーターとは、フェアアイル柄という伝統柄の編み込み模様のセーター。


当時のファッションリーダーであったプリンスオブウェールズ(後のエドワード8世)が愛用して人気が出ました。

画像引用元:ウィキペディア

フェアアイル柄とは?

  • フェアアイル(柄) フェア島発祥の伝統柄
  • フェアアイル(Fair Isle) シェットランド諸島にある島の名前で「羊の島」という意味

フェアアイルとは、セーターの編み柄に見られる伝統柄のひとつで、1段に2色使って編まれる幾何学柄が特徴。

基本的には島の羊の毛(シェットランドウール)で編まれます。

イギリスでは400年以上昔から編み続けられているが、もとはシェトランド諸島の下の方にある小さな小さな「フェア島(フェアアイル)」で編まれたものが発祥。

シェットランドウールとは

画像引用元:Wikipedia

シェットランドウールとは、英国羊毛のひとつで、シェットランド種(シェトランド諸島原産の小型の羊)のヒツジさんの羊毛のこと。

シェットランド諸島は、シェットランドシープ(シェトランド諸島原産の小型の羊)が放牧され、羊毛農業が経済の多くを占めています。

シェットランドウールは、クリンプ(縮れ)性が高く膨らみ感があり、ハリと光沢があり繊維が太く硬めでゴワゴワっとした独特の風合いがあります。

内側の毛質が柔らかくと聞きますが、外側の硬い触り心地の方が印象に残ります。

この独特の毛質は、夏場は冷涼で短く、寒い時期が長く続く、湿度の高い自然環境で育つというのと、副食に海草を食べている影響もあると言われています。

今まで毛糸屋さんからは、シェットランド諸島は冬の寒さが厳しく過酷な自然環境と聞いてきたのですが、今回調べてみると、長いだけで厳しい寒さではないとウィキペディアにありました。どっちが本当なんだろうか?

通常のウールの場合は、マイクロン(繊維の太さ)は細さを競う感じなので、繊維の太いシェットランドウールではマイクロンの話が上がらないので、正確にはわかりませんが、おそらく26~29マイクロンとかでしょう。

>> マイクロンとはウールの繊維の太さを表す単位

画像引用元:Wikipedia

シェトランド・シープの毛色は様々で、とくに多いのは、白、ムーリット(赤茶)、黒ですが、全部で11色くらいはいるそうです。

毛と毛を混ぜることで、染色せずとも多くのカラーを増やすことが出来ますが、さらにその上から染めることで、より多くのカラーが存在します。

こちらはアパレルのニット製品で人気の英国羊毛のShepleyyarns社の方が見せてくれた羊毛ですが、この3色をベースに、ブレンドしたり、羊毛段階で染めたり(トップ染め)、糸にしてから染めたりしているそうです。

Shepley Limited(手芸用は別サイト Woolyknit.com

シェットランドウールでもおなじことです。

シェットランドウールの糸屋

フェアアイル柄はどんな毛糸で編んでも良いですが、伝統的なものが好きな方、シェットランドらしい表情が好きな方は、シェットランドウール以外の選択肢はないでしょう。

シェットランドウールで有名な毛糸といえば、Jamieson’s Spinning (Shetland) Ltd 社と、 jamieson & smith社です。

Jamieson’s(ジェイミソンズ)

Jamieson’s(Jamieson’s Spinning (Shetland) Ltd)はシェットランド島にあります。

販売店(Jamieson’s of Shetland)は、同じくシェットランド島でも場所が離れています。

jamieson & smith(ジェミーソン&スミス )J&S

jamieson & smith社も、シェットランド島にあります。

シェットランドウールの毛糸

日本に入ってきているシェットランドウール毛糸で一番ポピュラーなのは、Jamieson’sSpindrift(スピンドリフト)

ほぼ同じような毛糸で、J&S(jamieson & smith)2ply Jumper Weight (ジャンパーウエイト)があります。

J&S(jamieson & smith)の、少し違うタイプのShetland Heritage(シェットランドヘリティッジ)も取り扱っているお店があります。

Spindrift(スピンドリフト)中細タイプ

Spindrift(スピンドリフト)
25g/約105m(4.2番手)
シェットランドウール100%
Jamieson’s

番手の記載はなかったですが、計算上はSpindrift(スピンドリフト)は4.2番手。

2ply Jumper Weight(ジャンパーウエイト)中細タイプ

2ply Jumper Weight(ジャンパーウエイト)
25g/115m(4.6番手or4.2番手)
シェットランドウール 100%
J&S(jamieson & smith)

2PLYと書いてありますが、太さ的には4PLY(フォープライ)と呼ばれるものと同じです(何本取ってどんな太さになるかは元糸の太さに寄るので)。

計算上は115÷25=4.6番手なのですが、サイトには  2/ 8.4番手と書いてある。

つまり4.2番手ということなので、0.4の誤差がありますね。

紡績すると、このように計算上の番手と上がり番手がちょっとずれることはよくあります。

そういった場合に、どちらで表示するか?は、とくに決まりがあるわけでないので、糸屋さんの考え方次第で付けられます。

誤差はほんのちょっとですし、いずれにせよ中細なので、あまり細かいことは気にせずいきましょう。

Shetland Heritage(シェットランドヘリティッジ)

Shetland Heritage(シェットランドヘリティッジ)
25g/110m(4.4nm?2.8nm?)
シェットランドウール 100%
J&S(jamieson & smith)

シェットランドヘリティッジは、シェットランド博物館にある古いフェアアイルの衣服で使用されていた手紡ぎの「ウルシット」本来の特性を再現したもの。

25g/110mなら番手は4.4になるのだけど、公式サイトに2.8nmと書いてある。

2.8番手なら並太~合太クラスですが、4.4nmなら中細・・・これは気にするレベルの違い。

いったいどういうことなんだろう???

手紡ぎの「ウルシット」本来の特性と書いてあるのので、かなり甘撚りで太く上がっているということなのかな?

この糸を使ったことがないし、持ってもいないので確認出来ませんので、正しいことが分かり次第、追記&訂正します。

ダルマ シェットランドウール 並太~合太

ダルマ シェットランドウール
50g/136g(2.7nm)
シェットランドウール100%
ダルマ

日本のダルマは、オリジナルラベルでシェットランドウールを玉売りしています。

番手の記載はなかったのですが、計算上は2.7番手なので並太か合太です。

フェアアイルを編むなら、ちょっと大柄で肉厚になりますね。

シェットランドウール代用なら英国羊毛が近い

日本の毛糸屋のオリジナルラベルでは、シェットランドウールの毛糸は殆どありません。

以下のような理由で、商業ベースで考えるとなかなか商品化しづらいのかな?と推測します。

  • シェットランドウールは生産量が少ない
  • 本物(ジェイミソンズやジェミーソン&スミス)への支持が高い
  • 柔らかいメリノウールなどよりも需要が少ない

シェットランドウールが手に入らないときに、代替えで似た雰囲気を望むなら、英国羊毛が第一選択になります。

そもそもシェットランドウールは英国羊毛のうちのひとつなので、英国羊毛はシェットランドウールとよく似ています。

パピーではシェットランドウールの仲間の英国羊毛で2種類(ブリティッシュファイン、シェットランド)の毛糸を販売しています。

パピー シェットランドは、英国羊毛100%ですが、風合いはかなり柔らかく、シェットランドウールの様な雰囲気はありません。また、太さが2.3番手と、Spindrift(スピンドリフト)や、2ply Jumper Weight(ジャンパーウエイト)の2本取りの太さとかなり太いので今回は省きます。

パピーブリティッシュファインだけご紹介しておきます。

パピーブリティッシュファイン 4.6

パピーブリティッシュファイン
25g/116m(4.6nm)
ウール 100%(英国羊毛含む)
パピー

シェットランドウールに似た粗野な風合いのある毛糸なので、Spindrift(スピンドリフト)や、2ply Jumper Weight(ジャンパーウエイト)の代用に最適です。

色数も34色あるので使いやすいです。

フェアアイルで代替えに使いやすい毛糸一覧

J&SやJamieson’sにも本当は色んな太さの毛糸がありますが、一般的に流通して使われているのは、フェアアイルセーターで使いやすい中細タイプの4.2番手です。

代替えに使いやすい、その前後の4~4.6番手(中細クラス)のウール、ウール混をまとめました。

比較のために、J&SやJamieson’sのシェットランド毛糸も一覧に入れました。

フェアアイル柄はシェットランドウール以外で編んでも良いのですが、★印だけちょっと特殊なので注意して下さい。

★印は見た目の太さや縮率などが異なるので、あえて使うと面白さもありますが、混率から糸の特性の判断が付かない方は使わないほうが無難です。

*表は上から番手が太い順

番手 メーカー
表示
糸名 混率
4 合太 タスマニアンベビー ウール100%(メリノ)
4 中細 ウイスター 純毛中細 ウール100%
4 中細 プリンセスリリー ウール100%(メリノ40%含む)
4 中細 レッチェ ウール90% モヘヤ10%(★)
4 中細 ハマナカ 純毛中細 ウール100%
4 スキー スコア ウール50% ナイロン50%(★)
4 中細 ダイヤゴールド 中細 ウール100%
4 中細 スキー 中細 ウール100%
4.1 中細 ハマナカ・フォープライ アクリル65% ウール35%(メリノ)
4.2 Jamieson’s スピンドリフト シェットランドウール 100%
4.3 合太 アメリーエフ ウール70% アクリル30%
(4.4)
*1
J&S シェットランドヘリティッジ シェットランドウール 100%
(4.6)
*2
J&S ジャンパーウエイト シェットランドウール 100%
4.6 中細 パピーブリティッシュファイン ウール100%(英国羊毛含む)
4.6 スキー ベビー ウール100%(メリノ)

それぞれの説明の場所でも書きましたが・・・

*1 計算上は4.4番手だけど、公式サイトに2.8nmと書いてあるので謎。
*2 計算上は4.6番手ですが、公式サイトには 2/ 8.4(=4.2番手のこと)と書いてあるので謎。

シェットランドウールの毛糸が買える輸入販売店

シェットランドウールの毛糸は100%輸入になります。

個人で輸入するのはハードルが高い方は、輸入して販売している業者さん、お店やさんから購入するのが一般的です。

シェットランド毛糸が通販出来る代理店・店舗一覧

販売店 糸屋名 糸名
Keito Jamieson’s スピンドリフト
SHAELA  Jamieson’s スピンドリフト
ユーロ・ジャパン・トレーディング・カンパニー Jamieson’s スピンドリフトなど
jamieson & smith シェットランドヘリティッジ
ジャンパーウェイトなど
Envelope jamieson & smith シェットランドヘリティッジ
ASATSURU&CO(あさつる) jamieson & smith シェットランドヘリティッジ
ジャンパーウェイトなど

実店舗でシェットランド毛糸が購入出来るお店

実物を見て購入したい方は、KeitoSHAELAは実店舗もあります。

シェットランドウールの毛糸を個人輸入する

シェットランドウールの毛糸は個人でも輸入出来ます。

沢山購入したいとき、輸入販売店で販売していない種類を購入したいときは、個人輸入にチャレンジしてもいいですね。

Jamieson’s(Jamieson’s Of Shetland)

jamieson & smith

まとめ

フェアアイルのこと、シェットランドウールのこと、色々まとめました。

ベテランさんは何も悩まないと思いますが、はじめてシェットランドウールでフェアアイルを編む方は、とりあえず一番、人気のSpindrift(スピンドリフト)(Jamieson’s(ジェイミソンズ)の中細)を購入すれば間違いないです。

もっと気軽に楽天とかで買いたいんだよ・・・って方は、とりあえず英国羊毛の、パピーブリティッシュファインではじめて見るのがおすすめです。

以上、皆さまの参考になりましたら幸いです。

タイトルとURLをコピーしました