アラフォスロピー・レットロピーの代用になる毛糸をまとめました。
ロピーセーターってチャレンジしてみたいけど・・・。ロピーじゃなくて違う毛糸で編んでもいいのかな?
ベテランさんでも、希望の色が揃わなくて、代替えの毛糸は何がいいかしら?と悩むこともありますよね?
わたしは20年以上、婦人服や子供服のニットデザイナーをしてきました。
工業毛糸の糸やさんで働いたこともあるので、一般の方より少しは専門知識があります。
そ・こ・で!
今回は、アラフォスロピーやレットロピーの代用になりそうな毛糸をまとめました。
ロピーセーターの代用毛糸を探している人は、よかったら参考にして下さい。
ロピーセーターはLopi(ロピ)以外で編んでいいのか?
画像引用元:LOPIDESIGN
ロピーセーターとは、Lopi(ロピ)で編まれたセーターのこと
ロピーセーターは、アイスランドの伝統的なセーターで、アイスランドの毛糸Lopi(ロピ)で編まれたセーターのこと。
デザインとして愉しむなら他の毛糸でもOK
違う毛糸で編んだら、もはやそれはロピーセーターではありません。
正確にはそういうことになりますが、デザインとして愉しむ分には問題ありません。
Lopi(毛糸)の代用毛糸が必要なとき
アラフォスロピー、レットロピーの代用を探すときはこんなときではないでしょうか?
- チクチクしない毛糸にしたい方
- ロピーだけで色数が揃わなかったとき
チクチクしない毛糸にしたい方
Lopi(ロピ)のチクチクが嫌だから、全体を柔らかい毛糸にしたいという方もいますよね。
そういう場合はゲージや太さの近い柔らかいウール毛糸にしましょう。
ロピーだけで色数が揃わなかったとき
画像引用元:ALAFOSS
アイスランドでは色んなカラー(50色弱)がありますが、日本に入ってきているのは一部のカラーのみです。
色数が多いほうが賑やかでかわいいセーターが上がりますし、あともう1色欲しいんだけどな・・・ってことがありますよね?
そんなときは、グランドカラーはLopi(ロピ)にして、配色になる1~2色を違う毛糸にするのはありです。
この場合は出来るだけ似た毛糸がいいでしょう(あえてデザインで異なる見た目の毛糸を入れるのはありですが)。
Lopi(毛糸)の代用毛糸の探し方
ロピーは特徴的なツヤとハリがあり、さらにロービングの甘撚りタイプですので、似た毛糸を探すのは困難です。
アラフォスロピーとレッドロピーは通販を使えば簡単に手に入りますので、表情を重視するなら本物を使うのが一番です。
代用を使うのなら、いずれかになります。
- 見た目や風合いを重視して柄目数を自分で調整する
- 適正ゲージが近いものを探して柄だけを愉しむ
見た目や風合いを重視して柄目数を自分で調整する
糸の表情を重視するなら、太さや混率を別にして選んで、その糸に合わせて柄や目数を調整する必要があります。
見た目や風合いを重視するなら、ツヤ的には1.6番手のハマナカ ソノモノ ロービング(アルパカ、ウール、麻)が似ていると思います。麻がハリとツヤをもたせているんですね。
と思ったら廃盤してるみたいです。が~ん。
Lopi(ロピ)は独特なので、なかなか似ているのはないですね。
あえて言うなら、1.5番手のダルマ ウールロービングかなぁ。
ツヤ・ハリは劣りますし、こちらはもっと甘撚りなので違うと言えば違うのですが、あくまで他の毛糸に比べれば、少し似ているかな?という感じです。
他はないですね。
どうしても似た表情の毛糸が良い方は、似た毛糸を探すのは諦めて、Álafoss(アラフォス)社のオンラインストアで好きなカラーを個人輸入するのがいいと思います。
適正ゲージが近いものを探して柄だけを愉しむ
糸の表情が似た毛糸はほぼ全滅っぽいので、殆どの方が、適正ゲージが近い毛糸を探して、柄デザインだけを愉しむということになると思います。
その場合、ロービングヤーン(甘撚り含む)は番手だけでは判断がつかないので、『ゲージ』が近いものを探しましょう。
この方法なら柄修正をしなくても編めますし、本物のLopi(ロピ)と組み合わせて使うことが出来ます。
ただし、この方法も若干注意がありまして、適正ゲージというのはメーカーの人が、(何を作るか知らないけど)一般的には凡そこれくらいがいいかな?と決めているだけです。
適正ゲージで編んでも詰まった感じがするもの、スカスカとゆるく感じるものがあります。
表示ゲージが似ていても、番手があまりにかけ離れている場合は注意する必要がありますので、選ぶ場合は番手も合わせてチェックしましょう。
アラフォスロピーの代用になりそうな毛糸一覧
アラフォスロピーの推進ゲージ横目が12目となっていますので、前後の11~13目の毛糸を集めました。
目 | 段 | 番手 | 糸名 | 混率 | メーカー |
11~12 | 15~16 | 1 | カナディアン3S | ウール100% | ハマナカ |
12 | 17 | 1 | アラフォスロピー | アイスランドウール100% | 内藤商事 |
12~12.5 | 16~17 | 1.5 | ダルマ ウールロービング | ウール100% | ダルマ |
12~13 | 17~18 | 0.92 | ロリポップ | ウール 70%ナイロン30% | オリンパス |
12~13 | 16~17 | 1.3 | アメリーエル極太 | ウール70% アクリル30% | ハマナカ |
12~14 | 1.8 | ケリー | ウール100% | ブルックリンツイード |
ロリポップは段染め(カスリ=スタンパート)なので、抜こうかとも思いましたが、部分的に使うと面白いのであえて残しました。
わたしの手元にある毛糸だけ、実物を比較してみました。
左から、アラフォスロピー、ダルマウールロービング、アメリーエル、ブルックリンツイード ケリー。
ダルマ ウールロービングは代用になる
アラフォスロピー(1番手)とダルマ ウールロービング(1.5番手)
番手はウールロービングの方がだいぶ細いのですが、ごく弱い撚りしかかかっていないので太く上がっていて、結果的に見た目の太さは近いというか、むしろ一見、ウールロービングの方が太く見えるくらいです。
糸の表情はさておき、太さゲージ的にはダルマ ウールロービングを代用として問題ないでしょう。
ただし、色数が多くないのであまり使えないかな。
アメリーエルは代用になる
アラフォスロピー(1番手)とアメリーエル(1.3番手)。
番手はアメリーエルの方が細いですが、アメリーエルはアクリル70%というのと、クリンプ(縮れ)の強いニュージーランドメリノを使用しているため嵩があるので、同じかもうちょっと太いくらいに見えます。
(左)アラフォスロピーが1本で作られているのに対し、(右)アメリーエルは4本を撚り合わせているので、表情がだいぶ違います。
アメリーエルで編むと、アラフォスロピーとはまた違う方向で、田舎っぽいような昔っぽいような感じになりそうです。
糸の表情はさておき、太さゲージ的にはアメリーエルを代用として問題ないでしょう。
ケリーは代用になる
アラフォスロピー(1番手)とケリー(1.8番手)。
ケリーの番手が1.8と約半分しかないので怪しみましたが、並べてみると確かに見た目は近い。
引っ張って見ても太さは大丈夫そうです。
よく見るとケリーはかなり甘撚りで嵩高なんですね。ムクムクとスポンディッシュな触り心地です。
アラフォスロピーのようなツヤはありませんし、むしろ逆にマットです。繊維も短く引っ張るとすぐ切れました。
糸の表情はさておき、太さゲージ的にはケリーを代用として問題ないでしょう。
アラフォスロピーで編むより軽く上がるので、着心地も良さそうです。
実際にケリーで編んだロピー風セーターを見つけました!
画像引用元:CHURCHMOUSE
レットロピーの代用になりそうな毛糸一覧
レットロピーの推進ゲージ横目が17目となっていますので、前後の16~18目の毛糸をまとめました(*一部19目のも含まれています)。
目 | 段 | 番手 | 糸名 | 混率 | メーカー |
16~18 | 22~23 | 1.8 | スキーUKブレンドメランジ | ウール100%(英国羊毛50%) | スキー |
16~18 | 22~24 | 1.8 | ツリーハウス グラウンド | ウール(メリノ)90% アルパカ(ファイン)10% | オリンパス |
16~18 | 22~24 | 1.8 | ツリーハウス リーブス | ウール(メリノ)80% アルパカ(ベビー)20% | オリンパス |
16~18 | 22~24 | 2 | メイクメイク スマイル | ウール(メリノ)54% アクリル40% モヘヤ(キッド)6% | オリンパス |
17 | 24 | 1.8 | Grandir(グランディール) | ウール80% アルパカ20% | ごしょう産業 |
17 | 24 | 2 | スターメ | ウール50%(メリノ)アルパカ20% アクリル30% | ハマナカ |
17 | 24 | 2 | レットロピー | アイスランドウール100% | 内藤商事 |
17~19 | 22~24 | 1.9 | ダイヤニコル | ウール96% ポリエステル4% | ダイヤ |
17~19 | 23~25 | 1.9 | スキーマレーネ | ウール100% | スキー |
17~19 | 24~26 | 2.3 | ツリーハウス フォレスト | ウール 70%(メリノ)アルパカ 30%(ファインアルパカ) | オリンパス |
17~19 | 24~26 | 2.4 | メイクメイク ハピネス(★) | アクリル 55% ウール 41% ナイロン 4% |
オリンパス |
17~19 | 24~26 | 2.5 | メイクメイク(★) | ウール(メリノ)90% モヘヤ(キッド)10% | オリンパス |
17~19 | 24~26 | 2.7 | メイプルロード(★) | ウール(メリノ)52% アクリル29% モヘヤ(キッド)11% ナイロン8% | オリンパス |
17~20 | 2.6 | シェルター | ウール100% | ブルックリンツイード | |
18~19 | 25~26 | 2 | エクシードウールL | ウール100%(EXメリノ) | ハマナカ |
19~20 | 27~28 | 1.9 | クイーンアニー* | ウール100% | パピー |
(★)の、メイクメイク、メイプルロードは細いけどモヘヤなので、ふんわり編むと同じゲージで編めるということで、表情はレットロピとは全然違います。
同じく(★)メイクメイク ハピネス、メイプルロードはナイロン入りなので、レットロピとは全然違います。
(★)は、混率から糸の特性を想像出来ない人は選ばないほうがいいでしょう。
*メーカー推進の適正ゲージと少し離れるので、後日要検証して削除または追記します。
なお、メイクメイク スマイル、メイクメイク ハピネス、メイプルロードは段染め(カスリ=スタンパート)なので、抜こうかとも思いましたが、部分的に使うと面白いのであえて残しました。
わたしの手元にある毛糸だけ比較してみました。
左から番手の太い順にスキーマレーネ(1.9)=クイーンアニー(1.9)>レットロピー(2)=エクシードウールL(2)=スターメ(2)>シェルター(2.6)
スキーマレーネは代用になる
左スキーマレーネ(1.9番手)、右レットロピー(2番手)。
(右)レットロピーがロービングの甘撚りに対して、(左)スキーマレーネはみっこ(3PLY)撚糸なので、膨らみがあり太く感じます(番手も0.1だけ太いし)。
軽く引っ張ると似たような太さです。
ゲージも近いし、番手も近いので代用で使って問題ないでしょう。
クイーンアニーは代用になる?
左クイーンアニー(1.9番手)、右レットロピー(2番手)。
(右)レットロピーがロービングの甘撚りに対して、(左)クイーンアニーはよっこ(4PLY)撚糸なので、膨らみがあり太く感じます(番手も0.1だけ太いし)。
軽く引っ張ると似たような太さです。
(左)クイーンアニー、(右)レットロピー
メーカー推進の適正ゲージはクイーンアニーの方が目数が多いのですが、番手が近いので代用で使って問題なさそうな気がします。(後日、編地検証して追記します)。
エクシードウールLは代用になる
左エクシードウールL(2番手)、右レットロピー(2番手)。
(右)レットロピーがロービングの甘撚りに対して、(左)エクシードウールLは、双糸の双糸(2PLY×2PLYの4PLY)なので、膨らみがあり太く感じます。
軽く引っ張ると似たような太さです。
(左)エクシードウールL、(右)レットロピー。
メーカー推進の適正ゲージはエクシードウールLの方が気持ち目数が多いのですが、番手が同じなので代用として使えるでしょう(後日、編地検証して追記します)。
スターメは代用になる
左スターメ(2番手)、右レットロピー(2番手)。
どちらも同じ2番手なのですが、(右)レットロピーがロービングの甘撚りに対して、(左)スターメはみっこ(3PLY)撚糸なので、膨らみがあり太く感じます。
軽く引っ張ってもスターメのようがふわふわ膨らんでかすかに太いですが、まぁ似たような太さです。
(左)スターメ、(右)レットロピー
メーカー推進のゲージも同じですし、番手も同じですので代用として使えます。
シェルターは代用になる?
左シェルター(2.8番手)、右レットロピー(2番手)。
(左)シェルターは番手的には2.8番手とかなり細いのですが、短い繊維の双糸でスポンディッシュに膨らみ、実際の番手より太く感じます。
逆に2番手の(右)レットロピーは逆に繊維が長くツルッとしてて細く感じるので、似たような太さに見えます。
引っ張っても似たような太さに見えます。
(左)シェルター、(右)レットロピー。
メーカー推進のゲージは、レットロピーが17目、シェルターが17~20目と、少しシェルターの方が目数が多めです。
代用で使って問題なさそうな気がしますが、検証した方が良さそうなので、今日のところは仮で、後日、編地検証して追記します。
まとめ
アラフォスロピー・レットロピーの代用毛糸について考察してみました。
今日の編地がなくてすみません。後日、編地検証して追記します。
以上、皆さまの参考になりましたら幸いです。
なお、今回のロピーセーターはシリーズ構成となっております。
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